脳神経内科について
脳神経内科は脳や脊髄、末梢神経、筋肉の病気をみる内科です。頭痛、けいれん、めまい、しびれ、筋力低下など、神経の病気を診療しています。
脳神経内科と名称の紛らわしい科として精神科、神経科、心療内科がありますので受診の際には注意してください。
精神科や神経科は不安や抑うつ、幻覚・妄想など精神疾患による病気を扱いますし、精神的ストレスから身体の症状が起きる場合は心療内科が専門となります。
また、脳神経内科で診断して手術が必要な場合は,脳神経外科や整形外科へご紹介しています。
脳神経内科外来は、完全予約制で実施しています。受診をご希望される方は、内科受付またはTELにて予約をお取りください。
対象疾患・診療内容
1)頭痛
2)めまい(ぐるぐるまわる、ふわふわする)
3)力が入らない(手足や指に力が入らない、顔がまがる)
4)歩きにくい(足を引きずる、小刻みな歩き方、最初の1歩が出にくい、歩くとふらつく)
5)しびれ(半身や顔・手足の感覚が鈍い、びりびりする)
6)頭葉がおかしい(言葉が出てこない、言ったことが分からない、話すと口がもつれる)
7)のみこみにくい(食べたものがのみこみにくい、むせが多い)
8)もの忘れ(色々なことをすぐに忘れてしまう、今まで出来たことが出来なくなる)
9)意識がおかしい(気を失う、呼んでも返事をしない、言うことがおかしい)
10)見えにくい(視力が急に低下する、ものが2重に見える、ものの半分が見えない)
11)てんかん(手足がけいれんする、何回も急に意識や記憶がとぎれる、急におかしな行動をする)
12)手足や顔がぴくつく(勝手に手足がふるえる、顔の筋肉が動く、首が曲がる)
脳神経内科が専門にする代表的な病気
- 片頭痛や群発頭痛、緊張型頭痛などの慢性頭痛
- 手足のふるえや運動困難を起こすパーキンソン病・症候群
- 記憶の障害が主であるもの忘れ(認知症)、アルツハイマー型認知症(AD)、レビー小体型認知症(DLB)、脳血管性認知症等
- てんかん
- 脳梗塞や脳出血など脳血管障害
- 髄膜炎や脳炎などの神経感染症
- ギラン・バレー症候群(GBS;手足や呼吸の麻痺が急に進行する末梢神経疾患)
- 末梢神経障害(糖尿病性ニューロパチー、手根管症候群、膠原病、ビタミン欠乏症等)
- 脊髄小脳変性症
- 多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMO)
- 重症筋無力症(MG)
- 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
病気・検査・治療
はくほう会加古川病院・脳神経内科には日本神経学会の認定する神経内科専門医・指導医が1名在籍しています。
① 外来診療:当院では、脳神経内科外来を開いてます。
② 入院診療:症状などより入院が必要と診断した場合は、患者様・ご家族様と話し合った上で、決めていただきます。当院での入院加療が困難な場合には、連携病院である兵庫県立加古川医療センター、加古川中央市民病院、順心病院等をご紹介します。
③ 検査:必要に応じて血液検査、MRI、CT、頚動脈エコーなどの検査を受けていただきます。また、認知症やパーキンソン病の診断などで脳血流シンチ(SPECT)、MIBG心筋シンチ検査やDAT Scan(ダッド・スキャン)検査、脳波、神経電動速度・筋電図、心理検査が必要な場合は近隣病院で受けて頂くことになります(当院で予約取得可能)。
専門分野・得意分野
頭痛外来(予約制)
当科では、頭痛専門診療を行っており、頭痛専門医(日本頭痛学会認定頭痛専門医・指導医)が担当しています。
慢性頭痛(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、その他の一次性頭痛等)でお困りの患者さんが対象となります。
中でも日常生活に支障をきたすのが片頭痛です。時々しか起こらないのですが、一旦片頭痛発作が始まれば、時間とともにひどくなり、一般的な鎮痛薬が効かないことも珍しくありません。ドクドクと脈打ったり、吐き気を伴ったり、光や音が嫌になり、動きたくなくなれば間違いありません。
片頭痛に対しては、発作の時に速やかに頭痛を始めとした諸症状を抑え込んでくれるトリプタン系薬剤が頭痛外来では使えます(当院では日本で使用できる5製剤、10剤型のトリプタンを使い分けます)。2022年に発売されたジタン系薬剤(レイボー)も使用可能です。また、片頭痛の発作回数が多い方は片頭痛予防薬を用います(数種類の中から自分に合った薬を選びます)。
片頭痛治療のトピックを1つ紹介します。2021年から画期的な片頭痛予防薬である抗CGRP(受容体)抗体製剤がようやく日本でも使える時代となりました。当頭痛外来でも、積極的に導入しています(エムガルティ、アイモビーグ、アジョビ3種類とも可)のでご期待ください。
片頭痛(と思われる頭痛)でお困りの方は、市販薬で我慢するのではなく、一度気軽に診断・治療のご相談をしてみてはいかがでしょうか。
月に15日以上、3ヶ月以上続く慢性連日性頭痛の中には、慢性片頭痛や薬剤使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)などがあり、頭痛外来および入院での専門的治療が必要です。当院でも対応可能です。
小児・思春期の慢性頭痛も多く、同じ片頭痛でも成人とは「頭痛の顔つき」が違っていたり、起立性調節障害(OD)を合併していたりして、診断や治療が難しいことも多々あります。ODに伴う慢性頭痛の診断ならびに治療も積極的に行っています。朝起きが悪く、遅刻欠席等で困っている方はODの可能性もありますので、ご相談ください。
また神戸市にある甲南医療センター・頭痛専門外来(担当医:北村重和、井澗茎子他)では、片頭痛関連の治験(臨床試験)を積極的に実施しています。
治験の件に関しては、診察の中で担当医が概要、詳細を説明いたしますので、気軽にご相談ください。当院でも窓口になっています。
もの忘れ外来(予約制)
当科では、もの忘れの診断ならびに治療も行っています。
もの忘れでお困りの方は、一度ご相談ください。
十分な問診を行い簡易的なもの忘れの検査(ミニメンタルステート検査)を行った後、精密検査(脳MRI<VSDADを含む>、血液検査、心理検査、脳血流シンチ)を必要に応じて、患者さんに合わせて各種実施して診断を行い、治療方針を検討していきます。
強い幻覚や興奮、日常生活の中で問題行動が多い場合は精神科などでの対応が必要となることもあります。
パーキンソン病外来(予約制)
最近、動作が鈍くなった、歩幅が狭くなった、転びやすくなった、何もしていないのに手がふるえる、等の運動症状が徐々に悪くなっている場合は、パーキンソン病の始まりかもしれません。このような症状を出す病気はパーキンソン病以外にもたくさんあります。
当科では、パーキンソン病を代表としたパーキンソン症候群の、診断・治療にも力を入れています。
神経学的な診察を最初に行い、必要に応じて脳画像検査、具体的には脳MRI、各種シンチ(ダット・スキャン、 MIBG心筋シンチ)を行います。一度ご相談ください。
以上の外来を含めて、脳神経内科を新たに受診される方は、基本完全予約制となります。
電話または内科受付にてご相談ください。
初診希望で他院通院中の方は、かかりつけ医からの診療情報提供書(紹介状)をご持参ください。
スタッフ
役職・スタッフ名 | 専門分野・学位・経歴 | 得意とする分野 | 学会専門医・認定医 |
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部長 | |||
北村 重和 | 専門分野/脳神経内科 | ・頭痛 | ・日本神経学会認定神経内科指導医 |